むし歯菌は歯の表面のエナメル質から徐々に内側に侵食し、最終的には根管に達し神経を侵してしまいます。その状態で放置してしまうと全体に感染が広がり、抜歯するしかなくなってしまいます。
それを食い止めるためには早い段階でむし歯菌に侵された神経や感染物質を取り除き、根管内部の汚れた部分を綺麗にし、除菌して温存させる根管治療をする必要があります。
「治療精度」が根管治療で最も大事となります。そのため当院では、拡大視野下による根管治療を実施いたします。
拡大鏡は常備しています
根管内は細くて湾曲しているため、暗く、肉眼ではよく見えません。実は根管治療を行った歯が再び感染してしまう確率は50%以上とも言われていますが、こうした状況下で行う治療は決して簡単なものではありません。
当院では、拡大鏡を使って精密に根管治療を行う事によって再発を防ぐ取り組みを行っております。さらに歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を使うと 、肉眼の20倍の精度で患部の状態が見えるので根管洗浄の精度、質が高まり再発のリスクを大幅に減らす事が出来ます。
必要に応じてマイクロスコープを使用
繰り返しになりますが、沢山の細かい仕事を行う必要のある歯科治療では、どうしても肉眼では限界があります。正確な治療を行い、なるべく自分の歯を残してあげるためには肉眼では見ることができないレベルでの高度な治療が必要です。例えば次の歯科治療ではマイクロスコープを使用します。
- 精密根管治療:歯根端切除術、MTAセメントを使った破折部の修復する治療
- 歯周組織再生療法:歯周病によって破壊された歯槽骨を再生させる治療
- GBR法:抜歯後吸収してしまった歯槽骨を再生させる治療
- ソケットプリザベーション(抜歯窩温存術):抜歯時吸収してしまった歯槽骨の再生、抜歯部位の凹みの骨を再生させる治療
- 歯肉形成手術:歯冠延長術など歯肉の形成手術
- 精密虫歯治療:拡大視野下で虫歯の取り残しがないか確認し、最小限度の歯の切削を行う治療(MI治療)
歯科の精密治療にマイクロスコープの有用性はご理解頂けたかと思いますが、実はマイクロスコープを導入している歯科医院は全国の歯科医院の中の5%程度だと言われています。マイクロスコープはとても高額なうえ、使いこなすためには確かな経験と熟練の技術が必要となります。
そのため、一部の歯科医院や大学病院などにしかマイクロスコープの設備がないというのが今の日本の歯科医療の現状です。当院では、他院で抜歯を進められた患者様の「なるべく自分の歯を残したい」という声にお答えすべく、最高の治療を行うための設備を整えています。
歯を長持ちさせたい、再発リスクを軽減したいのであれば、マイクロスコープを導入している歯科医院を受診するべきと考えております。ぜひお気軽に当院までご相談ください。
当院の根管治療では「ラバーダム」と呼ばれるゴム製の防湿防菌シートを使っています。このラバーダムで治療する部分のみを露出し、治療部分以外をしっかりと覆ってあげることで唾液によって細菌感染が広がってしまうことを防止し、根管治療の成功率をアップさせることが出来るのです。
当院ではFKG社(スイス)のXPshaper、XPフィニッシャー、レイスを使用しています。詳しくは白水貿易社のHPを参照してください。
X・smart plus(根管拡大装置)について
X-スマートプラスとは根管を拡大・形成する装置のことで、より精度の高い治療が必要な根管治療の際に用いられます。
X-スマートプラスを使ってファイルを反復回転運動させることで短時間での根管の拡大・形成が可能となります。また、歯質への食い込みを抑えることも可能なので、ファイルの破損も軽減してくれます。
ジェントルファイルとは従来のファイルと違い、根管の強度を保ち歯の寿命を延ばすことのできるファイルです。
破折しにくく、根管に沿ってアプローチが可能で高い柔軟性を誇ります。 また、複雑な根管でも徹底的にファイリングされるため複雑な根管内の汚れでも洗浄ができます。
1
歯の神経まで達したむし歯に行う「根管治療」
かなり進行し、歯の神経にまで達してしまったむし歯の場合に根管治療が行われます。
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汚れの除去・掃除
細く曲がりくねっている上、奥まって暗くよく見えない場所です。そのため専用の器具を使い、丁寧に丁寧に汚れを綺麗に掃除してあげる必要があります。
3
殺菌・洗浄
むし歯菌に侵されてしまった神経を綺麗に取り除いたら歯科用の特別な洗浄液を使い、根管内の殺菌・洗浄を行います。
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歯科用セメントを注入
根管内が無菌状態となったら隙間なく歯科用セメントを注入して穴を塞ぎます。この歯科用セメントにも殺菌効果があります。
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根管の入り口を塞ぐ
歯科用セメントがしっかり固まったのを確認したら根管の入り口をしっかりと塞ぎます。これにより虫歯の感染リスクを減らすことが出来ます。
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被せ物の装着
根管治療を行うほど進行してしまっている虫歯の場合、歯も大きく削ることになるので治療後は金属やセラミックの被せ物を作って装着し、歯の機能を回復させてあげます。